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なぜ発達障害者は人間関係をリセットしてしまうのか

発達障害者のなかには人間関係をリセットしてしまう人がいます。私もその一人です。では何故発達障害者は人間関係をリセットしてしまうのでしょうか。私の実体験からお伝えしようと思います。あくまで個人的な経験をもとに書いていますので間違っていたり、他の人には当てはまらない場合もあるかも知れません。

1 ADHD特有の衝動性

発達障害のひとつであるADHDの症状には衝動性があります。この衝動性によってその場の勢いで後先考えずにLINEのアカウントを消去したりグループLINEから退出したりしてしまいます。定型発達の方はたとえ人間関係をリセットするにしてもたぶん熟慮すると思いますが、このADHDの衝動性があると熟慮せずにいきなり人間関係をリセットしてしまうのです。

2 ASD特有の白黒思考

発達障害のひとつであるASDの症状にこの白黒思考があります。この白黒思考があると例えば学校を卒業したりするといきなり「今までの同級生や友達は卒業したらただの他人。関係ない」みたいな飛躍した思考になってしまいます。定型発達だと卒業した後も一定期間は関係を続けます。卒業後も定期的にかつての友達と遊びや旅行に行ったり、食事をとったりして近況報告をします。もちろん時間が経つにつれ関係は希薄になっていきますが発達障害者のようにいきなり関係を切って音信不通になることはありません。

この点に関しては白黒思考と同時に他人との人間関係のつながりを重視しない自閉的な傾向とも関係があるとも思っています。定型発達だと他人とのつながりを重視して孤立することを恐れます。それは人間は一人では生きていけない社会的動物だからです。しかしASDは他人と一緒にいるより一人でいることを好む傾向があります。過去のつながりを重視せずにどうでもいいと考えてしまうのです。

3 人間関係での失敗

発達障害者は共感力に乏しく相手の立場に立って考えるのが苦手です。そのためしばしば他人を知らず知らずのうちに傷つけてしまったり怒らせてしまいます。そのような経験を繰り返すうちに人間関係がギクシャクしてしまいリセットしてしまいます。先ほどの白黒思考とも関係ありますが、定型発達だと相手と仲が悪くなっても仲直りして関係を続けようとしますが、発達障害だとそういったことをせずにいきなり相手との関係を切ってしまいます。

また、社会人になってからは仕事で失敗を繰り返すうちに職場に居づらくなり転職を繰り返してしまいます。転職を繰り返しているうちに人間関係も希薄になってしまいます。今では定型発達でも転職している人が増えているようですが、彼ら・彼女らは自らのスキルアップや給料アップなどのポジティブな理由で転職をしていますが、私たち発達障害はネガティブな理由での転職が多いように感じます。

4 まとめ

では最後にこのようないわゆる「発達障害者の人間関係リセット症候群」はどうしたら治るのでしょうか。よく他の記事でも書いていますが、心療内科に通院することが重要だと思っています。このリセット癖もいわゆる「認知の歪み」と呼ばれるものらしいです。この認知の歪みも心療内科に通院してカウンセリングを受けたり、認知行動療法を受けたりすれば改善することはできることもあります。あとADHDの場合はコンサータやストラテラのような飲み薬もあります。そういったもので症状が落ち着いたら良いと思います。

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