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輝く文章

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noteの中で書いた文章はこちらにまとめました。
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#日常

3月の空気

3月の空気

先日、友人と食事に行った。仕事を終えたあと、二人で街に繰り出すと、どこの店も満員御礼。それは、華の金曜日というタイミングだからという理由だけでなく、3月下旬に差し掛かった今が、異動や退職や卒業といった送別にまつわる時期であることも関係しているようだった。

去年もnoteに書いた気がするが、わたしは春の雰囲気が苦手である。入園・入学・入社など新しい環境へ飛び込む者たちの期待と不安、また彼らを受け入

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誕生そして階段

誕生そして階段

先々日、日帰りで東北へ遊びに行った。
幼少期に並々ならぬ憧れを抱いていた”新幹線”に久しぶりに乗る。かつて幼いわたしが作った曲「新幹線、タァーッタタタタ(曲名 兼 歌詞)」を頭の中で反芻しつつ、ありがたいこの速い乗り物に現地まで運んでもらった。

東北エリアに訪れること自体初めてだった。福島あたりに入ったころから車窓は雪景色が混じりはじめ、晴れ間が見えたかと思えば、数秒後には細雪が舞い散るなど、東

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マイヤー軍団

マイヤー軍団

今週、久しぶりに軽めの風邪を引いた。主な症状は空咳で、それにやや咽頭痛がある程度。悪化する前に病院にかかったのは正解だったが、現在全国的に「咳止め薬不足」で、本来処方すべき薬を用意することができなかったらしく、先生は申し訳なさそうに咳止め作用のある漢方薬を処方してくれた。(漢方薬大好きなので嬉しい)
咳を誘発させるような刺激物、甘い物は断つほうがいいとのことで、大好きなコーヒーも唐辛子ふりかけも摂

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2月雑記

2月雑記

先日、用事があってとある都心部オフィス街へ赴いた。その街には、わたしの大好物・かりんとう饅頭を売るお店「神田達磨」がある。
用事があってこの街に来るたびに、わたしはかりんとう饅頭を買って帰る。だからこの日も、神田達磨に寄れることを楽しみに、駅に降り立ったのだった。

しかし、神田達磨の営業時間は12時スタートだった。わたしが用事を終えたのは11時前。仕事もあるし、神田達磨の営業開始まで油を売るのは

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日常が、まだ

日常が、まだ

爪に塗ろうと思っていた藍色のマニキュアを失くした。お風呂から上がったあと塗るつもりでいたのに、当然あると思っていた場所を確認すると、そのマニキュアだけが忽然と姿を消している。
どうしてもその色がよかったので、部屋中そのマニキュアを探した。棚の下、ラックの隙間まで、スマホのライトを使いながらくまなく探す。

そうしてしばらく捜査していると、不意に虚しい気持ちに襲われる。いま自分は、なんと呑気で間抜け

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日常覚書/9月その1

日常覚書/9月その1

今回は何と言うことはない日常の覚書。

8月の半ばを過ぎた頃から仕事の依頼が再開した。
嬉しい。けれど、ギャラは今までの約半分になった。まあ、どの仕事も同じような状況みたいだ。先方の事業状況がこれまで通りに戻れば、ギャラも戻るのだろうけど、やはり少し厳しい。けれど、この仕事を続けたいので頑張ることにする。頑張れモチベーション。

8月末ごろ、1歳になる姪っ子の誕生日だった。
Amazonでプレゼン

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近況の話

近況の話

今回はエッセイというより近況まとめ、みたいな形。

8月に入り、少しずつ仕事が入ってくるようになった。一時期、派遣スタッフとして出稼ぎに行こうとしてたけど、派遣先が全然決まらなかったので、発注再開はありがたい限り。
発注ペースやギャラは以前と同じ、というわけではないけれど、再びライター業務を続けられるのは嬉しい。1件ずつ頑張っていく。

そういえば8月に入った途端、今までの雨が嘘だったように気持ち

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どうということのない日常

どうということのない日常

ここ数年、疑問に思っていたことがある。それは、普段の生活の中で聞こえてくる「音」についてだ。

不定期に聞こえてくるそれは、車のクラクション音。何の前触れもなく、それははじまる。短く「プッ」と鳴らされるそれ。一度鳴って終わりではない。少し間が空くと、また「プッ」とくる。法則性はあるのか、考えたが、よく分からなかった。でも、少し間をおいて、鳴って、間をおいて…それがずっと繰り返されることだけは分かっ

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変わる、変わらない

変わる、変わらない

時期に応じて、いろんな仕事をもらっているのだけど、現在は、いろんな街に行って対象の物件や街並みを撮影し、それらの魅力を伝える原稿を書いている。知らない街に行けば楽しいし、知っている街に行けば、また別の魅力を発見する。そしてついこの間は、”知っている街”――自分の通っていた大学のある街に行ってきた。

今から9年前に、わたしはとある短大を卒業した。栄養や調理などについて学んでいたのだが、結局その道に

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「うん」

「うん」

0120からはじまる、フリーダイヤルから電話がきた。3秒ほど迷ったのち、電話に出てみると「◎◎保険会社です」と、冷静沈着な女性の声がした。またワンテンポ置いたのち、相手の存在を思い出し「あ、お世話になります、ヒガシノです」と返事ができた。

わたしは今年の7月に軽めの交通事故に遭った。きちんと交通ルールを守り、横断歩道を渡っていたところ、左折してきた車にはねられたのだ。幸い相手の運転スピードが遅く

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季節とのみもの

季節とのみもの

9月、10月となんだか暖かい日が続いて、冬なんてやって来ないのではないかと思っていたら、最近は北風も吹き急に冬めいてきた。今年もちゃんと、冬が来るらしい。

9月、10月初旬までは、アイスコーヒーを美味い美味いといって飲んでいた。氷で満たしたカップに、濃いめのコーヒーを注いで、ちょうどいい具合に氷を溶かす。年々アイスコーヒーを作る技術が上がっているのか、毎回かなり満足度が高くて、「もう一生アイスコ

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わたしはブチ切れる赤ちゃん

わたしはブチ切れる赤ちゃん

突然だが、どんなに怒り心頭な場面でも、自分の感情を爆発させず、冷静に話し合いができる人はすごいと思う。わたしはその真逆のタイプだからだ。そんな人たちの頭の構造がどうなっているのか知りたい。

逆に自分の頭の構造のことは分かる。なぜ、感情のままに怒りをぶちまけてしまうのか。それは、自分が今これほど不愉快に感じている、どうしようもなく怒っている、それらを残らず相手に伝えたいからだ。冷静に冷静に…なんて

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イメージの崩壊について

イメージの崩壊について

「ずっと憧れていた人がいたけれど、実際に話してみると感じが悪くて幻滅してしまった」「想像していた人柄と違って驚いた」など、”憧れていたときと実際のイメージが違った”という話はよくあるが、その逆もある。最近人づてにそういう話を聞いた。

「ずっと憧れていた人のお店に遊びに行ったら、すっごくいい人で、物腰も柔らかくて、憧れていた頃の刺々しくカッコいいイメージが崩れてしまった…」という話だ。わたしに話を

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わたしの人生ゲーム、いま、どのへん?

わたしの人生ゲーム、いま、どのへん?

わたしは子どものころ、スーパーファミコンの『大爆笑!!人生劇場 ずっこけサラリーマン編』という人生ゲームが好きだった。これは、サラリーマンとしてさまざまな人生体験やイベントを経て、最終的に一番お金持ちになった人が優勝する、というボードゲームソフトである。

そもそも、この人生ゲームは”爆笑!!人生劇場”というゲームのシリーズもので、『サラリーマン編』は8作品目なのだそう。ほかにも、幼稚園時代から人

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