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夏休みが来るのが怖い子どもたち

9月に入り多くの小中学校、高校では新学期を迎えました。そしてNHKなどのメディアは夏休み明けに増加するいじめや不登校の特集を組み啓発活動を行っています。

9月に新学期が始まるとまたあの嫌ないじめが始まるのか…。いじめが無くても学校での集団生活に馴染めない…。そんな子どもたちも多いと思います。しかし、私はテレビや新聞が報じないもう一つの「夏休みの問題」があると思っています。

それは家庭に居場所が無い子供たちの問題です。複雑な家庭環境(直接的にいえば虐待や貧困、ヤングケアラーなど)にある子どもは皆さんが想像するよりも多いと思います。そのような子どもたちにとって夏休みや冬休みのような長期間の休みはとてもつらいものです。

虐待と言っても身体的な虐待ばかりではありません。夫婦間の仲が悪くいつも子どもたちの前で夫婦喧嘩をしている事例もありますし、1日中子どもを自宅に閉じ込めておく親もいるでしょう。そうした目に見えない虐待もあります。また虐待までは無くとも両親が離婚・再婚し、全然知らない他人がいきなり「親」になることも今の時代珍しくはありません。

また、夏休みには子どもたちにとって大事なあるものが失われます。そう、給食です。この問題は時々メディアでも取り上げられています。貧困状態にある家庭の子どもたちは給食が唯一の栄養源であることも少なくありません。夏休みの間はその貴重な栄養源が断たれてしまいます。いまは非営利活動法人によるフードバンクなどがありますが、最近の物価上昇により支援が少なくなってきていると報道されています。民間ばかりでは限界だと思いますのでこの辺りは国や自治体による住民税非課税世帯に対する支援などが重要になってくるのではないでしょうか。

テレビや新聞などのメディアが夏休み明けのいじめや不登校の問題を特集するのは良いことだと思います。しかし、その陰にいま書いたような別の問題があることも忘れないでほしいと思います。

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