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THEE MOVIE
ドッドッターン、ドンタドンチーン!
突然すみません。ライヴ前のドラムのサウンドチェックの音です。バスドラとスネアとクラッシュです。ちょっと文章を書き始めるためのウォーミングアップのつもりです。はい。では、いきますよ?
★★★
私がこの映画(Thee Movie)を観たのは、約14年ぶりだ。前回観賞したのは2010年3月1日。忘れもしないので、日付ははっきり覚えている。前の晩は、文字通り一
マムレーエフ『穴持たずども』
昨今では教育上の観点からということで、「桃太郎」や「さるかに合戦」の結末すら非暴力的なものに改変されているそうですが、ユーリー・マムレーエフによるこの稀代の怪作を世の良心的な紳士淑女が読んだ暁には、怒り心頭になるか卒倒するかに相違ないので、あまりこの小説が日本で広まらないよう密かにお祈りするばかりです(万人受けする作品ではないと思うので、そんなの杞憂かと思いますが……)。
白水社ミノタウロス
チェヴェングールと幸福なモスクワ
ロシアの伝統として、グノーシス主義的な純粋哲学者たちに混ざり、ドストエフスキーやトルストイといった文豪たちが、哲学者の一部としてそこに堂々と聳え立ってしまっているという厄介な事情があります。アンドレイ・プラトーノフもその系譜に属し、だだっ広いロシアの曠野のように深遠な哲学思想を展開したとされています。
また、今回紹介する2つの作品において、スターリニズムという時代背景は重要です。鉄のようにカッ
Soft Machine "THIRD" 雑感
冒頭から甚だひねりのない思いの吐露で恐縮だが、この作品は数十年に一枚ぐらいの名盤ではないかと、私はかねてから思っている。
★★★
すでに数多くの賞賛を浴び、その後のカンタベリー・シーンを始めとする前衛的なロックに大きな影響を与えた名盤。学生の頃、タワーレコード新宿店の洋楽階で手に取ってみた時、帯に書かれた「ブリティッシュ・ロック史上、最も野心的かつ理知的な」という形容が刺さったことを覚えて
How do DMBQ play music?
DMBQが短編ドキュメント映像作品"HOW TO MAKE MUSIC"を発表した(youtubeにて視聴可能)。
哲学者なのか歴史学者なのか、それとも──広範にわたる知の領域を横断して思考を刷新する営みを続けたミシェル・フーコーは、自らが何者であるかをインタヴューの中で問われたのに対し「私は爆破技師です」と言い放った。
私が"HOW TO MAKE MUSIC"を視聴し終えた後に浮かん
マーキームーン(Marquee Moon)
当方、ミュージシャンでもなければ、音楽評論家でもありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
皆様は、当記事にどのように辿り着きましたでしょうか。
「マーキームーン」でググってみられたのでしょうか。
いずれにせよ、Televisionによるこの不朽の名曲について、ご関心がおありのかたが多いでしょうか。
ご期待に副うことができるかどうか甚だ自信はありませんが、この小考にお付き合いいただけ
わたしの好きなDMBQ
先日、わたしの好きなDMBQが新譜を発表し、そのリリースツアーが行われました。様々な情報を綜合し、彼らの踏み込んでいる領域を俯瞰してみたいと思います。
★★★
2014年8月、約3年振りに表舞台に現れたDMBQのライヴは衝撃的なものでした。ステージに現れた彼らの中に、旧来からの主力メンバーである松居徹さん(ギター)と渡邊龍一さん(ベース)の姿はなく、増子真二さん(ギター・ヴォーカル)、和田