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漂流物/堆積物 -自覚なくカフェに残した痕跡-
一人暮らしをしていると、会社が休みで人と会う予定のない日は、ほとんど誰とも喋らずに終わる。レストランやカフェで「一名様ですか?」「はい」などの事務的な会話をしたり、スーパーやコンビニのレジの人と買い物に必要なやり取りをする以外、言葉を発する機会がない。夜になって一日を振り返り、人との関わりの少なさにはっとすることがあった。
仕事をしていなくて、誰かと会っていない時の私は、この世に存在していると言
4月下旬 -今のところ健康、まあまあ文化的-
4/18(土)
昼、市内の実家(歩いて行けなくもない距離)にちょっと帰る。前日に母から電話があり、京都の友達が送ってくれた「夏柑糖」というお菓子をシェアしたいので取りに来てほしいと言われたのが発端。
家に着くと、母がガレージの一部にビニールシートを敷き、テーブルと椅子を出して半屋外リビングみたいな空間を作ってくれていた。「これなら風通しがいいと思って」と言われ、確かに密閉は避けられてるなーと納得
4月上旬 -後ろめたい春休み-
4/1(水)
8:00出勤が始まってから、そろそろ1ヶ月が経とうとしている。
朝、通常通り人口密度80~90%くらいの電車でツイッターを開くと、イタリアやアメリカの医療崩壊の様子を伝えるツイートや画像が流れてきて、こんなに混んでいる電車に週5日、毎朝30分乗っている自分に症状が出ていないことがむしろ異常に思えてくる。駅で人が乗ってくるたび「え……まだ来んの……」と感じてしまう。自分だって途中から乗
3月 -コロナと過ごした1ヶ月-
昨年末に発見された新型コロナウイルスの感染拡大は、4月17日(金)現在も、全く終息する気配がない。私自身も、感染拡大防止のため、4月頭に会社から自宅待機を命じられた。
この状況の中で体験したことや考えたことを記録に残しておくため、月1~2回、印象的だった日の日記をまとめてアップしていきたい。
3/2(月)朝起きたものの、体調がすぐれず、熱を測ったら36.7℃ぐらいあった。会社を休み、かかりつけの
立川談春35周年記念公演~玉響-tamayura~ 酢豚にパイナップルが投入された夜
落語×Jロックという衝撃2019年8月28日の夕方、私は渋谷のBunkamuraシアターコクーンにいた。「立川談春 35周年記念公演~玉響-tamayura~ 第二夜(ゲスト:なぜか尾崎世界観)」を観るためだ。
1ヶ月ほど前、たまたまイープラス(チケット予約サイト)のDMで、この公演の告知を見た。尾崎世界観率いるロックバンド・クリープハイプのチケットを以前買ったことがあったので、その記録をもとに
一人で過ごした時間の先に現れる誰か
5年ぐらい前の夏休み、一人で奈良と三重に行った。
旅の最大の目的は、三重にある赤目四十八瀧を見ること。学生時代に車谷長吉の小説「赤目四十八瀧心中未遂」を読んで圧倒され、何の展望もない男と女が物語終盤に訪れるこの世の果てのような場所を、いつか自分も歩いてみたいと思ったからだ。要はオタクの聖地巡礼のような感じ。
誰かを誘おうとは思わなかった。私の「赤目四十八瀧心中未遂」への愛と、そこから派生した赤目
「君が君で君だ」ねじれた片思いに身を捧げた男3人の青春
映画「君が君で君だ」に出会うまで
この映画のDVDを手に取ったきっかけは、数年前にクリープハイプの音楽を聴くようになって、彼らのミュージックビデオをいくつか撮影した松居大悟監督の存在を知ったことだった。映像作家かと思ったら「ゴジゲン」という劇団を主宰しており、舞台、映画、ミュージックビデオ、テレビドラマなど様々なものを手掛けていることが分かってきた。作っているものを見ても、ミュージックビデオなのか