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輝く文章

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noteの中で書いた文章はこちらにまとめました。
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#エッセイ

鳥…。

鳥…。

雨が降る寒い日のこと。
部屋の空気がこもりがちなので、薄く窓を開けながら仕事をしていると、その隙間から鳥の鳴き声が聞こえてきた。聞こえてきたというより、鳥の声がやけに大きく、否が応でもその声が耳につくのである。

それもそのはず、ベランダの物干し竿に一羽の鳥がとまっていたのだ。あろうことか、その鳥はそこで離れた仲間の鳥と会話をするように鳴き声を交わしているのである。まさに雨宿り中といった様子で、降

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空気を読めるかどうか問題

空気を読めるかどうか問題

空気を読めるか、読めないかという話。
ある企画について話し合いを進めており、その企画資料が出来上がった時のこと。資料作成者が関係者各位に「資料について誤りがないか、気になる点がないか、忌憚なき意見が欲しい」と言った。
その資料について、わたしは個人的に気になる点があったが、指摘の仕方によっては”揚げ足取り”ととられかねないため、まずは周りの出方を伺う。すると周りとしては、特段資料に気になる点がなか

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3月の空気

3月の空気

先日、友人と食事に行った。仕事を終えたあと、二人で街に繰り出すと、どこの店も満員御礼。それは、華の金曜日というタイミングだからという理由だけでなく、3月下旬に差し掛かった今が、異動や退職や卒業といった送別にまつわる時期であることも関係しているようだった。

去年もnoteに書いた気がするが、わたしは春の雰囲気が苦手である。入園・入学・入社など新しい環境へ飛び込む者たちの期待と不安、また彼らを受け入

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誕生そして階段

誕生そして階段

先々日、日帰りで東北へ遊びに行った。
幼少期に並々ならぬ憧れを抱いていた”新幹線”に久しぶりに乗る。かつて幼いわたしが作った曲「新幹線、タァーッタタタタ(曲名 兼 歌詞)」を頭の中で反芻しつつ、ありがたいこの速い乗り物に現地まで運んでもらった。

東北エリアに訪れること自体初めてだった。福島あたりに入ったころから車窓は雪景色が混じりはじめ、晴れ間が見えたかと思えば、数秒後には細雪が舞い散るなど、東

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マイヤー軍団

マイヤー軍団

今週、久しぶりに軽めの風邪を引いた。主な症状は空咳で、それにやや咽頭痛がある程度。悪化する前に病院にかかったのは正解だったが、現在全国的に「咳止め薬不足」で、本来処方すべき薬を用意することができなかったらしく、先生は申し訳なさそうに咳止め作用のある漢方薬を処方してくれた。(漢方薬大好きなので嬉しい)
咳を誘発させるような刺激物、甘い物は断つほうがいいとのことで、大好きなコーヒーも唐辛子ふりかけも摂

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2月雑記

2月雑記

先日、用事があってとある都心部オフィス街へ赴いた。その街には、わたしの大好物・かりんとう饅頭を売るお店「神田達磨」がある。
用事があってこの街に来るたびに、わたしはかりんとう饅頭を買って帰る。だからこの日も、神田達磨に寄れることを楽しみに、駅に降り立ったのだった。

しかし、神田達磨の営業時間は12時スタートだった。わたしが用事を終えたのは11時前。仕事もあるし、神田達磨の営業開始まで油を売るのは

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「10年」…20年、30年…2024年

「10年」…20年、30年…2024年

7つ8つ年下の仕事仲間と、仕事について話す機会があった。彼とは実際に会って一緒に仕事をしたこともあるし、緊張しやすい自分の中でも比較的気安い位置にいる人間ではあるのだけど、オンラインで30分ほどお話しし解散したあと、気付いたように重たい胃痛が起こり、それは胃薬を飲んでもしばらく消えなかった。しかも背中から胴回りはびっしょりと汗をかいている。汗で冷えたヒートテックが冷たくてかなわない。そろそろ克服し

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静電気を許すな

静電気を許すな

季節柄、静電気による「バチッ」に悩まされている。

『静電気』は物と物が接触する摩擦で発生するもの。摩擦により、静電気の元となるプラス電子・マイナス電子が、それぞれの物体に移動し合い「帯電(物体が電気を帯びること)」する。これが、静電気が発生した…という状態。
そして、この状態でドアノブやシンクなど電気を通す物体に触れると、体に帯電していた電気が一気に放出される。それが例の「バチッ」の原因なのだそ

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11/23、消えた1枚の牛肉

11/23、消えた1枚の牛肉

2023/11/23――勤労感謝の日、祝日。
その日わたしは朝からイライラしていた。

11/23を迎えるまでの平日3日間、仕事が非常に忙しく、疲労が蓄積されていたのもイライラの要因の一つ。加えて、ここ最近心の中を占めていたある悩ましい事柄が、土壇場でどんでん返しを起こしたことで、非常にやりきれない気持ちになってしまい、身体も心も疲れ果てていたのだ。
だから、この数日は大好きな読書をすることもまま

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初マンモ痛すぎて…記

初マンモ痛すぎて…記

※男性には読みづらい(少しピンとこない)テーマの内容かもですが、一生懸命書いたので最後まで読んでくださると嬉しいです…!※

わたしは婦人科系疾患の検査は割と積極的に受ける方だ。もともと生理痛が重く、20歳を過ぎた頃からクリニック(婦人科)にかかって薬の処方をしてもらっていた。その流れから、子宮頸がんなどの検査も定期的に受けるようになる。
健康診断でも、希望すればこういった検査をオプションとして追

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27歳

27歳

ジミ・ヘンドリックスやジャニス・ジョプリンのように、27歳で死にたいとか、逆に27歳まで”生き延びてしまった”みたいな発言をするような、「27歳」を特別視する一部のムーブメントが苦手である。今の若い方たちの中に、この27歳を特別視する人間がどれほどいるのかは不明だが、わたしが20代の時には「俺は27歳で死ぬ」と豪語する者、無事27歳を迎えた事実を何かしら含みを持たせてアピールする者などがいた。

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HBのシャー芯

HBのシャー芯

たとえば仕事中に紙にメモを取るとき、わたしはいつもボールペンを使う。たまに気まぐれで、シャーペンや万年筆を使ってみることもあるけど、ほとんどの場合はボールペンだ。
そんな風に日々ボールペンで物を書いて過ごしていたわけだけど、バンド活動の中で自分のパートの譜面を書き起こしたり、それを直したり、また仕事の都合上インプットすべき情報をノートにまとめたり…といった場面が増えたので、最近になって、手直しがき

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9/30覚え書き

9/30覚え書き

本日は休日だけど、やや早めに起床。
湿気が高い。カーテンの隙間から元気な太陽の光が入っている。しかし、そんな晴れ間が見えていたのは一時的で、約1時間後の外出時には弱い雨が降り始めた。少し肌寒い。が、構わず自転車に乗り出かける。

目的地付近の駐輪場に自転車を停めると、そこは管理人がいるタイプの駐輪場だった。1畳程度の小さな管理人室にいる管理人は、静かに文庫本を読んでいた。わたしは、仕事の空き時間や

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ご機嫌取り

ご機嫌取り

今週は機嫌を損ねる出来事があった。
そういうしんどいことがあると、まず眠る。惰眠をむさぼる。大体の場合、そうやって睡眠によって疲れた気持ちを有耶無耶にしてきたのだが、今回は睡眠に加えて、別な方法も取り入れて自分の機嫌を取った。

その方法とは「お菓子を作ること」だ。
大きな声で、堂々と言えるほど上手なわけではないが、わたしはお菓子を作ることが結構好きだ。というより、好きになった。このnoteでも何

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