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どうしようもなく落ち込んだ気分の日
元気よくサムズアップするウサギのスタンプ。
私はその満面の笑みのウサギを見つめながら、真顔でメッセージの送信ボタンを押した。
窓を見ると、外はまだ雪が降り続けている。
私は頬を伝った水をティッシュで拭った。
どうしようもなく落ち込んだ気分の日。
ものすごく悲しい時ほど
ものすごく苦しい時ほど
ものすごく落ち込んだ時ほど
誰にも言えない。
私の中で黒い雪が積もっていく。
外に吐き出したいは
プレゼントボックスに、ワクワクを詰め込んで。
12月24日。
サンタさんがくるワクワクで寝れなかったあの頃。
「早くサンタさん来ないかなって思ってたよね」
ニヤっと笑いながら姉が言った。
あ〜そんなことも思ってたな。
早く来るわけないのにね
そんなことに少し期待してた幼き頃の自分。
今は25日か近づくに連れ、
プレゼント買う期限が迫ってくる!
こんな感じ。
何かちょっと、相手が欲しい物とは別なものをあげたい。
渡した時の姉の喜ぶ
日常にある映画のワンシーン
大きなギターを背負い、荷物いっぱい詰まったハンドバッグを肩に掛け、車内に入ってきた若い男性。
耳にはイヤホンをはめている。
朝の電車は既に席が埋まっていて、彼は手すりに捕まった。
二駅くらい経った頃だろうか。
突然若い女性が、何かにハッと気づいたように立ち上がり、その男性に声を掛けた。
「あの、席どうぞ!」
彼女ははっきりとした声で彼に言った。
しかしどう見ても健全そうに見える男性。
もしか
それはちがうんじゃないか
ある日の人生案内。
社会人2年目。
仕事で休憩も取れないくらい忙しいのに、サボっている先輩がいる。
それを上司に言っても、他人を悪く言うなと言う。
他人を悪く言わない為にはどうすればいいか、
という相談。
この彼女の声が、いつかの私の声と重なった。
全く同じなんかじゃないけれど、
彼女が置かれている環境が、想像できた。
だからこそなのかもしれない。
回答者は何てアドバイスするのだろうと、いつ
大人になったハロウィン
ハロウィン。もうワクワクなんてしない。
だって私は知ってるから。
この世界に魔法なんて、存在しないと言うことを。
好きな人が、私のことを好きになってくれたり、
仕事が認められてお給料が上がったり、
いい日が5日以上、続いたり、
そんな奇跡みたいな日は訪れない。
だって魔法はないから。
この世界に起こることは、全て要因がある。
だから幸せも自分で作らなきゃいけない。
そう思って久しぶりに
【詩】人生に音楽を。
恋をした。
人生で初めてLOVEソングを口ずさんだ。
頑張ったテストが悪い点数だった。
人生で初めてラップを聴き漁った。
友達と遊んだ後、1人で歩く夕暮れの帰り道。
人生で初めて聴いたロックバラードが輝いていた。
失恋した。
人生で初めてクラッシックピアノ曲を聴いて涙が出た。
久しぶりにやりたいことが見つかった。
路上歌手のオリジナル曲に背中を押された。
灰色の生き方
何気ない会話の中に、
散りばめられ沢山の針。
歩く道はまるで足ツボが敷き詰められているよう。
その一つ一つに傷ついていたら、
前に進めないことくらい分かってる。
それでも私の世に憚る「大丈夫大丈夫」と言ってくる奴ら。
そういう奴らが1番怪しい。
幾度となく裏切られた。
結局この世は自己中心的世界。
己を守れるのは自分だけ。
さあ。
私はどう生きる。
【短編】things take time
「どうやったら結婚するような、運命の人に出会えるんだろう。」
葉の色が、太陽の光に透けて黄緑色に輝き出した春の終わり頃。私はみっちゃんと一緒に教科書が沢山詰まった重いリュックを背負って帰っていた。
「蕾から花が咲くのと同じだよ。」
「咲かない蕾もあるってやつ?」
「そりゃあ植物だって、千差万別よ。」
「ああー。雑草だって花咲かせてるってのにー」
私は側に生えていた綿毛をちぎり、口の中に
【短編小説】夏の終わりに
夏休み最後の日、僕らは動物園に行った。
その帰り道、僕はなんだか夏休みのはじめの頃より高くなった空を見上げた。
「あーあ。夏が終わっちゃったね」
僕がそう言うと、ダイキ君は
「秋はチーターだからね」と呟いた。
「チーター?」聞き返した僕の声が裏返った。
「ぼーとしてるとすぐに目の前を走り去っちゃうよ」
僕は今日動物園で見た、今にも走り出しそうな姿をしているチーターを思い出した。
「そし
【短編】人とヒトと、友達と。
僕は妙な視線を感じた。
僕はその視線の先を、テレパシーを受け取るかのように追った。
見ると、手にしていたCDのジャケットにデフォルメされた、可愛い宇宙人のイラストが僕を見ていた。
僕は宇宙人を見たことがある。でもこんな姿ではなかった。
だから正確には、宇宙人らしきヒトかもしれない。
だって、彼らは人間の姿をしているのに宙に浮いているように背丈が高かったから。何よりも、
彼らは空に浮かぶ円盤から出