記事一覧
アイドルと僕の18.44メートル
難波の駅で電車に乗った瞬間すぐには気づかなかった。
車内は至って普通の夜の電車で、人が多い訳では無いが椅子がよく空いている訳では無い。
電車に揺られながら無機質な車内には疲労感たっぷりのサラリーマンや、飲み歩いてテンションが高い学生の集団、スマホ片手に足を組んで座るOLの姿など、22時代の電車の相場を表した様な光景が広がっていた。
秋の楽しさを感じるには少し肌寒くなった11月の半ばは、
ピーチ 12月17日 君の好きが僕の好きになる。
「“つばき”って、知ってますか?」
5年前の声が蘇り、胸の鼓動が大きくなる。
向かい側のホーム、冬空に立つその女性は寒そうに、真っ赤な長いマフラーを首に巻いて、駅の大きな看板横で風を遮り電車を待つ。
あっ という声がマスクの中で漏れて、目を見開いているとも分からずに、次の記憶は階段を駆け下りる所まで飛んでいた。
無我夢中で走る足は、疲れを感じず、ただひたすらに前へと進む。
あと少し、もう少し
冬の路上と私の生き様
深夜の片田舎の町で千鳥足で歩いていると、時々電柱にぶつかって、そのヒヤリとした冷たさが妙に癖になったことはないだろうか。
ある年の瀬の事、私は今年も例年通り酒を飲む日々が続いていた。
無論、学生時代からずっと酒は飲んでいたが、こうも派手に飲み歩くようになったのはここ最近、私が転職してからだ。
高校時代の旧友と出会い、その旧友が旧友を呼び、私たちは男女10人ほどの大所帯飲み仲間を結成した。
夜は短し歩けよ乙女/著・森見登美彦〜読書の秋に私の読書感想文〜
秋の夜長は楽しみたいもの
できることならお酒を少し飲みながら
そんな時に読んでいただきたい本がこちら
「夜は短し歩けよ乙女 著・森見登美彦」
名作かどうかと言えば名作でしょう。
私の大好きな1冊。
強いて言うなら世に出ている活字のみで構成された書物の中では圧倒的に1番好きと胸を張って言える書物。
今回はそんな物語と出会った私の物語を少しご紹介。
大学3年の梅雨の時期
人より少し遅れ、2年の途